高校の遠隔授業、例外的に40人超の受講を認める方針を明確化

文部科学省初等中等教育局は令和8年6月15日、「高等学校等におけるメディアを利用して行う授業の実施に係る留意事項」(8文科初第783号)の一部改正を公表しました。

改正の背景には、国家戦略特別区域諮問会議が令和8年1月20日に了承した「特区制度を活用して取り組む規制・制度改革事項等」があります。熊本県からの提案を踏まえ、専門教員を各学校に配置できず複数学校間で同時双方向型の遠隔授業を実施する場合など、生徒数が40人を超える学級編成が認められる場合について、2026年度の可能な限り早期に明確化することが求められていました。

高等学校の遠隔授業については平成27年4月から、教科・科目充実型が正規授業として制度化されています。同時双方向型の場合、受信側の教員が当該教科の免許状を有していなくても、対面授業と同等の教育効果があれば実施が可能です。これにより先進的な内容の学校設定科目や、相当免許状を有する教師が少ない科目の開設、小規模校における幅広い選択科目の開設などが実現され、生徒の学習機会が充実してきました。

しかし従来、高等学校設置基準第7条に基づき、遠隔授業で同時に授業を受ける一学級の生徒数は原則として40人以下とされていました。複数の受信教室がある場合、各教室の生徒数がそれぞれ40人以下でも、合計で40人を超えることは認められていませんでした。

今回の改正では、「特別の事情があり、かつ、教育上支障がない場合」は遠隔授業で同時に授業を受ける生徒数が40人を超えることを例外的に認めることを明記しました。同時に、この「特別の事情」に該当する具体例をQ&Aにおいて明確化する予定です。

文部科学省は都道府県教育委員会、指定都市教育委員会、都道府県知事、国公立大学法人、構造改革特別区域の認定を受けた地方公共団体などに対し、この改正の趣旨を所管する高等学校等や関係機関に周知するよう求めています。

生徒の多様な学習ニーズに対応するため、遠隔授業の一層の推進を図ることが改正の狙いです。地理的条件や学校規模の制約から専門的な授業の提供が難しい地域でも、複数校の生徒が一度に受講できる環境が整備されることで、教育の機会均等が進むと期待されます。

出典:文部科学省ウェブサイト https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kaikaku/1422988_00004.htm

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