英国教育省は2023年12月15日、児童および家族向けの社会福祉施策の指針となる「児童社会福祉国家枠組み(Children’s social care national framework)」を正式に公表しました。この枠組みはイングランドの地方自治体における児童社会福祉業務に携わる職員を対象とした法定ガイダンス(statutory guidance)であり、遵守が法律上の義務となります。
本枠組みは、地方自治体が児童および家族向けサービスを提供する際に達成すべき目的・原則・成果、ならびに良好な実践を実現するための条件を明記しています。さらに、児童社会福祉に関わるすべての保護機関(safeguarding partners)および関連機関にも関連情報を提供しています。
特筆すべきは、多様なアクセス需要に対応した複数形式の提供です。標準的な法定ガイダンス(52ページのPDF、476KB)のほか、イージーリード版(23ページ、3.85MB)、児童・若年者向けイラスト版(18ページ、2.23MB)、英国手話動画版(音声・字幕付き)、アニメーション動画版が用意されています。児童・若年者向けアクセシブル版(HTML形式)も提供されており、社会福祉の対象者である子どもたちが自分たちに関わる内容を理解しやすい工夫がなされています。
実装支援体制も充実しています。教育省はファウンデーションズ(Foundations)と協力し、証拠に基づく実践ガイド(Foundations practice guides)の開発を進めています。既に公表されたものには、親族による養護(kinship care)、逆境下での親職(0~10歳、11~18歳の各年代別)、障害児・若年者の親職、メンタリング・友人関係支援、里親制度、家族統合(reunification)に関するガイドが含まれています。今後、体系的なレビュー完了に応じてさらに多くのガイドが公開される予定です。
さらに、児童社会福祉ダッシュボード(children’s social care dashboard)により、関連データを一元化し、枠組みに掲げられた成果と条件に向けた進展状況の把握と学習支援を実現しています。
地方自治体および支援機関向けには、本ガイダンスを現場実践に組み込むための専用情報も提供されています。また、児童・若年者に対しては、イラスト版やアニメーション動画を通じて、枠組みが自分たちにとって何を意味するかを分かりやすく説明し、ソーシャルワーカーや支援職員、関連慈善団体へのアクセス経路も示しています。
本ガイダンスは2023年12月の公表以降、2026年7月まで複数回の更新を経ています。最新版では里親制度ガイド、家族統合ガイド、児童・若年者向け動画等が順次追加されており、実装支援の継続的な充実が図られています。
出典:UK Department for Education (OGL v3.0) https://www.gov.uk/government/publications/childrens-social-care-national-framework
