文部科学省中央教育審議会の社会教育の在り方に関する特別部会は、令和8年5月25日午後1時から3時間にわたり第18回会議を開催しました。清原部会長を含む複数の委員が対面とオンラインで参加し、YouTubeでの傍聴も受け入れました。
会議の主要議題は、「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方について」の答申に向けたたたき台素案の検討です。神山社会教育振興総括官から提示された素案は、前回の部会での意見を踏まえて全体構成を見直したものとなっています。
素案は三つの大きな柱で構成されています。第一に「現状と課題」では、少子高齢化や人口減少、ライフスタイルの多様化、デジタル格差の拡大などによる地域コミュニティにおけるつながりの希薄化を重点的に記述。第二に地域社会における課題の多様化と共助の必要性、第三に根本的な解決に向けた個人の認識や態度、行動の変容の必要性が示されています。
今後の社会教育の役割として、素案では「人づくり」「つながりづくり」「地域づくり」の関係性を強調し、社会教育が地域における人とのつながりを基盤としたウェルビーイング(心身ともの良好な状態)の実現、共助で対応できる地域コミュニティの構築、共生社会の実現を支えるものと位置づけています。
推進の基本的な方向性として、社会教育人材の質的・量的な拡充が掲げられています。素案では、現在約1万2,000人の社会教育士称号取得者がいるものの、今後様々な地域で活躍するには数が十分でないと指摘。社会教育主事や社会教育士の専門性を適切に称する仕組みの見直し、社会教育人材ネットワークの整備が重要とされています。
地域における社会教育活動の推進体制の充実では、公民館や図書館などの既存の社会教育施設・団体の機能強化、学校や高等教育機関との連携の深化が示されています。さらに、これまで連携が薄かったNPO法人や民間企業、首長部局(防災・福祉・地域づくり)、地域運営組織(RMO)、社会福祉法人との新たな連携も期待されています。
具体的な施策では、社会教育士の配置・育成の改善、公民館主事への社会教育士の任用促進、社会教育委員の活性化(公募制や「行動する社会教育委員」の導入など)が挙げられています。公民館については、住民にとって敷居が低く多様な主体が混ざり合える場、子どもや若者にとって利用しやすい施設、多世代交流の場としての役割が強調されています。
今後の課題として、信頼性の確保、若年層を含む社会教育の認知度向上、短期講習などの導入的プログラムの充実が指摘されています。また、学校と地域の連携については、コミュニティ・スクール制度と地域学校協働活動の一体的推進により、探究学習のハブとしての社会教育士の活躍が期待されています。
教員養成課程での社会教育士養成課程の位置づけも提案され、教員に求められる専門性の一つとして社会教育の視点を重視する方向性が示されています。
会議では、現状と課題および今後の方向性について、前半1時間程度を用いて委員による意見交換が行われました。後半1時間程度では、社会教育推進に向けた具体的施策についての意見交換が予定されていました。
出典:文部科学省ウェブサイト「社会教育の在り方に関する特別部会(第18回)議事録」
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/015/gijiroku/1422152_00020.htm
