世界銀行は2026年9月23日、ウズベキスタンの貧困削減と公正性に関する包括的な評価報告書を発表しました。この報告書は、同国の貧困削減の進展を分析しつつ、経済成長の成果が全国民に広く行き渡るための課題と政策優先事項を明らかにしています。
【貧困削減の成果】
報告書によると、ウズベキスタンの国家貧困率は2021年の17.0%から2025年の5.8%へと低下し、370万人が貧困から脱出しました。世界銀行は、この成果を中所得国としても有数の水準だと評価しています。貧困削減を主導したのは賃金雇用と賃金上昇であり、新規雇用創出も活発です。
ただし、雇用の質に課題があります。新規雇用の3分の2は建設・貿易部門に集中し、約85%は非公式部門であり、実質労働生産性は低下しています。報告書は「より多くの雇用を作ること以上に、質の高い雇用、特に公式部門で民間セクター主導の生産的な雇用を作ることが課題である」と指摘しています。
【中間層の急速な拡大と地域格差】
中間層は人口の37%から72%を超える水準へ急速に拡大しました。しかし、5人に1人は依然として貧困に逆戻りするリスクを抱えています。さらに問題なのは、経済機会の地理的不均衡です。上中間層の拡大の大部分がタシケント市に集中し、高度な技能を持つ雇用の半数がタシケント市・地域に立地しているため、同市の上中間層人口は2021年以降4倍以上に増加しました。
【女性の労働市場参加の停滞】
女性の経済参加は大きな課題です。貧困・脆弱世帯の非労働人口のうち92%が女性であり、その多くは家族介護責任を理由に挙げています。2歳未満の子どもを持つ母親は就労の可能性が36%低く、就労している女性でも35~40%の持続的な性別賃金格差に直面しています。
【人的資本と社会保護の課題】
教育面では、15歳の約80%が基礎教科で最低基準に達していません。高等教育への進学率もタシケント市では63%である一方、一部地域では23%に過ぎません。また、主要な現金給付制度「低所得家族手当(LIFA)」は、貧困削減に伴い2022年から2025年の間に世帯の26%から8%へと対象が縮小し、困窮家庭が安全網を失いつつあります。
【政策提言】
報告書は、より良い機会への公平なアクセスを実現するため、①教育の質向上と全日制学校の拡大、②STEM・ICT職業訓練の拡充、③遠隔地と経済中心部を結ぶ輸送・デジタルインフラの強化を勧奨しています。女性の経済参加強化には、手頃な価格の保育サービス拡大と女性向けスキル訓練が必要だと述べられています。社会保障については、LIFAのターゲティングの再構築と、広範なエネルギー補助金から脆弱世帯への直接支援への予算シフトが求められています。
出典:World Bank「Uzbekistan Poverty and Equity Assessment: Rising to Prosperity – Broadening Opportunities for All」(CC BY 4.0) http://www.worldbank.org/en/country/uzbekistan/publication/uzbekistan-poverty-and-equity-assessment-rising-to-prosperity-broadening-opportunities-for-all
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