第11回情報・技術WG、小中高の情報教育体系を整理

文部科学省は令和8年6月25日、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の情報・技術ワーキンググループ第11回を、Web会議と対面を組み合わせた形式で開催しました。

【小学校の情報領域の構造化】
小学校総合的な学習の時間に位置づけられる「情報の領域(仮称)」について、発達段階に応じた学習活動が詳細に整理されました。情報技術の適切な取り扱いや特性の理解を通じ、情報活用能力を段階的に高める構成になっています。特にメディアリテラシーの充実が図られ、SNSを含む全ての情報が再構成・切り取りされていることの理解や、偽・誤情報への判断力育成が強調されました。また、デジタル機器の長時間利用と健康の関わりについて、発達段階に応じた系統的学習が配置されています。

加えて、AIに関する学習は小学校段階で適切な取り扱いと特性の理解から始まり、体験的な活用を通じた深い学びへ進む方向性が示されました。

【中学校の情報・技術科の連携】
中学校段階では、情報の領域から発展させ、小学校での基礎を踏まえた学習が展開されます。特に「モデル化・シミュレーション」が明確に表出され、高等学校情報Ⅰへの接続が意識された構成になっています。第1学年では「情報の表現とデジタル化」、第2学年では「プログラミングと自動化」、第3学年では「情報基盤とシステム化」という段階的な構成です。

プログラミングの学習では、アプリケーションのアルゴリズムが依存症を引き起こすような設計をされていることなど、情報技術の社会的影響を含めた理解が求められます。また「技術の統合」では、生活の問題解決にとどまらず、社会的課題への対応まで拡張されました。

【他教科との学びの充実】
新しい教科・領域の創設により、他教科の学びがどのように充実するかが整理されました。二つの主要な観点として、(1)各教科が端末等の活用方法に関する内容を精選できる可能性、(2)教科固有の内容を精選できる可能性が示されています。

例えば、現行の小学校算数第5学年ではプログラミングを通じて論理的思考を学んでいますが、改訂後は情報の領域でプログラミング的思考が体系的に扱われるため、算数は図形の性質や統計的問題解決などの固有領域に重点化できます。また、国語で行われているタイピング学習も情報の領域に委ねることで、各教科では端末を活用した学習の高度化が期待できるとされています。

【授業時数の規模についての考え方】
新教科・領域に必要な授業時数については、年間の標準総授業時数を増加させない方針のもとで検討されています。体系整理により、小学校では第3~6学年で各学年27~31項目程度、中学校では第1~3学年で各学年32~66項目程度の学習活動が想定されることが示されました。

ただし、各項目が必ずしも1コマで扱えるわけではなく、複数コマを要する探究的・実践的学習も含まれることが明記されました。最終的な授業時数は、他教科との内容精選による効果も考慮しながら、教育課程全体の観点から検討される予定です。

【条件整備の強化】
教材開発・実証、免許法認定講習に加え、外部人材の効果的活用が新たに挙げられました。また、教員の指導力向上に資する研修支援や新しい内容を指導するための環境整備について、いつまでに何を検討すべきかが具体化されています。

出典:文部科学省 中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会情報・技術ワーキンググループ(第11回)議事録
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/118/gijiroku/mext_00020.html

本記事は一次情報をもとにWorldEdu Report編集部が編集しています。編集方針:運営者情報

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