第12回バックエンド作業部会、廃止措置と技術開発の進捗報告

文部科学省は令和8年7月10日、原子力科学技術委員会原子力バックエンド作業部会(第12回)を開催しました。会議は文部科学省16階会議室とオンラインのハイブリッド形式で行われ、日本原子力研究開発機構からバックエンド対策の取組状況が報告されました。

**廃止措置の進捗**

原子力機構は令和7年に施設中長期計画を策定し、保有施設を継続利用施設46、廃止対象施設43に分類しました。このうち主要施設(もんじゅ、ふげん、東海再処理施設)と人形峠を除いた36施設を優先的に廃止措置の対象としています。令和7年度の実績として、中小施設14施設で廃止措置を実施し、工期は約20%短縮、費用は約30%削減できたことが報告されました。

廃止措置に用いられた原子力施設廃止措置促進事業費補助金は、令和6年度の約9.4億円から令和7年度は17.8億円に増額され、複数年契約の導入により作業の効率化が進んでいます。また受注業者も従来の4社から8社に拡大し、サプライチェーンの強化が図られています。

廃止措置の実績として、プルトニウム研究1棟ではグローブボックス(放射性物質を取り扱う密閉装置)6基と配管の解体撤去を完了。再処理特別研究棟では埋設ダクト内の排水管とケーブルの撤去を進行中です。プルトニウム燃料第二開発室ではMOX燃料製造用グローブボックス9基のうち3基を解体し、令和10年度までの完了を目指しています。

廃止措置に伴う放射性廃棄物の発生量抑制も重点課題とされており、非放射性廃棄物のクリアランス処理が推進されています。プルトニウム燃料第二開発室の加工工程設備では、200リットルドラム缶で約1,000本分の非放射性廃棄物を処分搬出することに成功しました。

**知識マネジメントと人材育成**

廃止措置作業から得られた知見や技術を継承するため、モデル事業として実施しているプルトニウム研究1棟と再処理特別研究棟の作業を動画で記録し、社内イントラに掲載しています。特にアスベスト撤去など旧施設固有の問題への対応方法を映像で残すことが重要とされています。

人材育成では廃止措置講座の新設、バックエンド関連施設の見学会開催、プロジェクトマネジメント資格取得の奨励、優秀人材の海外機関派遣など多層的な取組が行われています。

**技術開発の成果**

バックエンド技術開発戦略ロードマップに基づく9テーマの技術開発が進行中です。令和7年度までに短期テーマ5件が終了し、そのうち2テーマは改良・高度化への拡大が検討されています。

主要な成果として以下が報告されました:

保管廃棄物の自動点検技術では、自走ロボットを開発し遠隔制御で点検を自動化。現在4名で実施している点検を2名に削減可能と見込まれています。さらに画像診断技術の異常検知精度向上と各拠点への展開を検討中です。

廃棄物の分割・収納方法最適化では、3次元CADで解体後の廃棄物を任意のサイズに切断して遺伝的アルゴリズム(生物進化を模した計算手法)を適用し、収納容積を最適化します。ふげんの実績では廃棄物容器発生数を約30%低減でき、今後は表面線量率を考慮した条件拡張を計画しています。

プラスチックシンチレーションファイバーを用いた新技術では、細い径の配管に検出器を挿入してベータ線を効率的に測定し、配管の割裂によらないクリアランス測定が可能になります。従来は配管を半割にして内部測定していたため、作業の大幅な効率化が期待されます。

委員からは廃棄物埋設処分の早期実現への期待、廃棄体化における出戻りの防止方策、開発技術の原子力業界全体への展開方法などの質問が寄せられました。原子力機構は廃棄体製作基準と埋設受入基準の整合性確保、次回の部会での廃棄体化進捗報告、様々なチャンネルを通じた成果発信などで対応する意向を示しました。

出典:文部科学省ウェブサイト https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/099/gijiroku/1422848_260710_00002.html

本記事は一次情報をもとにWorldEdu Report編集部が編集しています。編集方針:運営者情報

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