第6回AI for Science推進委員会 SPReAD第2回公募は1.79万課題応募

文部科学省は令和8年8月7日、オンラインでAI for Science推進委員会の第6回会合を開催しました。

会合では、4つの議題が検討されました。第1は、SPReAD(人文・社会科学及びデータサイエンス・AI分野での課題解決に資する研究開発支援事業)第2回公募の応募状況についてです。

SPReAD第2回公募には、17,914課題の応募がありました。このうち学生からの応募は3,263課題で、前回第1回公募の15,868課題を上回る応募となっています。申請課題の内訳は、大学等の研究者・研究員が大半を占め、学生が約2割となっており、前回との大きな変化はありません。

研究領域別では、10の分野すべてで応募が増加しており、特に申請者数が各領域で100~500人増えている傾向が見られました。ユースケース(AIモデル開発から既存モデル評価まで8カテゴリ)についても、すべてのカテゴリで応募が増加しています。

文科省は現在、第2回公募の採択に向けて審査を進めており、第1回採択者向けのキックオフを7月22日に実施。8月6日には採択者向けにAI活用学び合い会を開催し、計算資源提供者から環境構築などのノウハウを提供する伴走支援を開始しています。

一方で、採択率が2.9%という低さや無作為抽出の透明性・納得感について懸念の声が上がっています。文科省は今後、審査・採択における透明性・信頼性の向上、採択規模の拡充、SPReADとARiSE(次段階支援制度)の中間的支援の必要性について、令和9年度概算要求に向けて制度設計を進めています。

第2の議題は、AI研究開発力の強化についてです。文科省は、米中の競争激化、論文生産数で中国が米国を上回る状況、最先端AIモデルの透明性低下などの国際動向を分析しました。

特に注目されるのは、世界的にスケーリング競争からAIの原理的な理解へと回帰する傾向です。各国政府や企業は、AI利用(AI for Science)だけでなく、AI自体を理解・高度化する研究(Science for AI、Science of AI)への投資を強化しています。米国のNSF National AI Research Institutes、英国の次世代AI実現に向けたネットワーク型研究拠点など、各国が拠点化・統一した戦略を打ち出しています。

日本の課題として、文科省は①AI基礎研究を国家戦略として推進する枠組みが弱い、②研究力は存在するが分散しており国際拠点形成につながっていない、③AI創出人材の育成不足の3点を指摘しています。特に、AI for Scienceのみに注力すると、既存ツールの使いこなしに優先されて、AI自体を開発・高度化する人材育成がボトルネックになる懸念を示しました。

第3の議題は、次世代研究インフラ構築に係るワーキンググループの立ち上げについてですが、詳細は本議事録抜粋には含まれていません。

第4の議題は令和9年度概算要求の検討状況についてで、非公開での議論となっています。

新たに着任した浅野研究振興局長は、AI for Scienceが日本の研究力強化の重要な手段であると述べ、今月末の財務省への概算要求で、AI for Science関連予算について大幅な拡充を検討していることを明らかにしました。

出典:文部科学省ウェブサイト https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shinkou/077/gijiroku/aifors_260807_002.html

本記事は一次情報をもとにWorldEdu Report編集部が編集しています。編集方針:運営者情報

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