英国教育省は2026年10月15日、ルーシー・パウエル教育相によるCST会議(学校指導者向けの重要な会議)でのスピーチを公開しました。
パウエル教育相は、「新しい時代のために子ども時代を再想像する」というテーマの下、今後10年間の教育改革の基本方針を示しました。現在の子どもたちが直面する課題として、オンライン環境での悪影響、社会的分断、希望の喪失などを指摘し、これらに対抗するための包括的な政策を提示しています。
**技術・職業教育の位置づけの改善**
教育相は、技術および職業資格(T Levels、V Levels、apprenticeships)を学問資格(A Levels)と同等に位置づけることを発表しました。これに伴い、新しい職業GCSEs(中等教育修了資格に相当)と新しい進路を導入するとしています。ただし、識字・算数能力、批判的思考、人間的創造性といった基礎学力の習得は変わらず重視されるべきだと強調しています。
**オーラシー教育の全国展開**
特に重要な発表として、教育相は「オーラシー」(話す・聞く・コミュニケーション能力)を、読み書きと同等の地位をもつ英語教育の新しい柱として位置づけることを宣言しました。これまで上層階級の特権とされてきた表現能力を、全ての子どもの権利とする取り組みです。小学校からGCSEを経て高等教育まで、すべての段階で話す・聞く・伝える力を育成する予定です。
**SEND危機への対応**
特別教育ニーズ・障害を持つ子どもへの支援強化のため、今後3年間で40億ポンドの追加資源配分が行われます。教育相は、今後の改革の方針として、排除ではなく包摂を報酬する仕組み、学校を支援し認める体制の構築を掲げています。また、児童・生徒の「中途退学」(NEET状態への移行)を防ぐため、早期教育から就職支援までの一貫した支援システムの構築が重要だと述べています。
**予算措置と協力体制**
教育相は、今年度の予算として20億ポンド以上の追加資金を学校に配分することを明らかにしました。また、学校現場の決定を尊重し、エビデンス(証拠)に基づいた政策立案を重視する姿勢を示し、学校・自治体との「パートナーシップ」を重視する新しい方針を打ち出しています。
**その他の施策**
カリキュラム改革、AI時代への対応、欠席率の高い生徒への支援、いじめ・差別対策、問題行動への対応などについても、段階的に取り組む予定が示されています。
出典:UK Department for Education, OGL v3.0(https://www.gov.uk/government/speeches/education-secretary-speech-at-cst-conference-2026)
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