文部科学省は令和8年7月3日、中央教育審議会生涯学習分科会の第137回会議を開催し、社会教育主事・社会教育士養成等の改善・充実に関するワーキンググループの報告書を確認しました。
本会議では、昨年11月から8回にわたって検討されてきた報告書の内容が報告されました。主な方向性は以下の通りです。
【社会教育主事と社会教育士の関係】
報告書では、従来検討されていた「2階建て」方式(両資格を分けて養成する方法)ではなく、両者を一体的に運用することとしました。社会教育主事は社会教育士でもあることを前提としつつ、講習では現行の8単位を維持しながら、内容を見直していきます。また、講習の名称を「社会教育講習」等に変更することが適当とされました。
【講習の利便性向上】
より多くの人が受講できるよう、オンライン開講、土日・夜間開催、柔軟な受講機会の拡充が求められます。単位互換の仕組みの拡大や、1科目の単位数の細分化も検討課題とされました。自治会、民生委員、消防団、地域運営組織(RMO)の活動経験など、他分野での実務経験も新たに受講資格として認めることが提案されています。
【裾野拡大への取組】
社会教育主事講習の前段階として「導入的講習」を充実させることが重要とされました。各地で実施されている入門研修や、地域と学校の協働・連携に関する講習など、多様な領域の研修を体系的に整理・充実させ、講習受講へのインセンティブを高めていきます。
【受講後の支援体制】
講習受講は「エントリー条件」であり、その後の活躍を促進することが重要です。都道府県による継続的な研修やネットワークづくり、大学の役割が強調されています。社会教育施設の職員や指定管理者も含め、社会教育士資格の取得と専門性の向上が期待されています。
【大学養成課程の改正】
大学での社会教育主事課程についても同様の考え方で改正が提案されました。具体的には、社会教育実習を1単位から2単位に拡充し、「社会教育総合実践演習」の新設が検討されています。また、社会教育特講を8単位から4単位に縮減する一方、全体の質向上を図ることが示されました。結果として総単位数は現行より2単位少ない22単位程度が想定されています。
【社会教育士に求められる役割】
報告書では、社会教育の活動が個人レベルから地域レベルまで多様な層で行われていることを認識した上で、社会教育士・主事に求められる力を今後検討することとしました。「学びを促進する」「学び合い・つながり合う協働的な場や集団をつくる」「自律的・継続的な活動の仕組みをつくる」といった視点から、コーディネート、ファシリテート、プレゼンテーションなどの技能を、技術的側面のみでなく、実践との関係において捉え直すことが重要とされています。
【今後の課題】
単位数や受講資格の具体的な内容、導入的講習の拡充方策、実務経験の適切な評価制度、社会教育士の活躍の見える化など、引き続き検討が必要とされています。また、大学院での上位認証制度の検討も将来的な課題として位置づけられました。
会議では、2024年6月に文部科学大臣から受けた諮問「地域コミュニティの基盤を支える今後の社会教育の在り方と推進方策について」を背景に、社会教育人材の活躍を一層推進する必要性が確認されました。
出典:文部科学省ウェブサイト https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/siryou/1422152_00042.htm
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