ケニア難民支援:援助削減で雇用創出が自立の鍵に

世界銀行は2026年5月、ケニアにおける難民と受け入れ地域住民の生活状況に関する調査結果を発表しました。同国は4月時点で84万7780人の難民・庇護申請者を受け入れており、援助縮小と雇用機会の消失により、両者の貧困化が加速している実態が明らかになりました。

調査は世界銀行、UNHCR、有効グローバルアクション研究所が共同実施し、2022年から2024年の2波パネル調査で同じ難民世帯と受け入れ地域世帯を追跡調査しています。

**深刻な雇用危機と貧困の広がり**

最も懸念される点は雇用状況の急速な悪化です。難民のキャンプ内の就業率は13%から7%に、都市部でも50%から37%に低下しました。キャンプ内の非就業率は89%に達し、調査対象の64%が仕事がないことを問題として挙げています。受け入れ地域住民も同様に困難で、キャンプ周辺地域の就業率は35%から33%へと低下しています。

カクマ、カロベイ、ダダアブのキャンプでは、難民の5人中4人以上が多次元貧困(教育、雇用、住宅、水、栄養における複合的な剥奪)に直面しています。難民世帯が受ける援助額は調査期間中に減少し、キャンプ内難民の総収入の約75%が援助であった2024年時点で、援助削減は直接的な所得低下につながりました。

**構造的障壁と女性への影響**

就業障壁も根深い問題です。第1波調査で労働許可証を保有していた難民は1%未満で、行政上の手続きや移動制限が正規労働市場への参入を妨げています。

女性は二重の困難に直面しています。キャンプでの低い女性労働参加率は、保育責任、移動の自由の制限、就業機会の不足の複合的影響を反映しています。受け入れ地域の女性も同様の制約に置かれており、意図的な保育・技能投資と安全な就業機会がなければ、統合のメリットから排除されるリスクがあります。

**食料危機と負のコーピング戦略**

食料価格の上昇が継続的なストレス要因となっており、2024年の豪雨と洪水は生計を脅かし、インフラを損傷させました。所得の低下に伴い、キャンプ内世帯の64%が食料消費を削減し、44%が食料購入のため借金に頼る負のコーピング戦略を採用しています。子どもの栄養状態の悪化が報告されており、一時的なショックではなく、継続的な栄養ストレスの兆候を示しています。

**統合計画の成功条件**

ケニアは「シリカプラン」と呼ばれる統合定住モデルへの転換を進めており、その歴史的な機会を活かすには、援助削減下での雇用創出が不可欠です。同報告書は、移動の自由の拡大、労働許可取得の簡素化、民間投資の誘致、および脆弱層への対象的・ショック対応型支援の維持が成功の条件であると指摘しています。

統合だけでは自立は実現できず、経済機会がなければ、より統合が進んだ定住地であっても脆弱性は持続するとしています。

出典:The World Bank, CC BY 4.0
http://www.worldbank.org/en/news/feature/2026/05/18/as-aid-shrinks-jobs-become-central-to-self-reliance-for-host-communities-and-refugees-in-kenya

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