世界銀行が発表した記事で、タスキギー大学電気コンピュータ工学部門の教授であるベン・オニ博士が、幼少期の水汲み経験から触発された水・エネルギー供給の革新的アプローチについて述べました。
オニ博士はナイジェリア南西部オディギ村での子ども時代を回想しています。当時、安全な飲料水を得るには遠く離れた川まで往復する必要があり、自然素材の容器であるカラバッシを使って水を運んでいました。険しい谷を下り、滑りやすい道を上るその困難な経験が、現在の研究活動の原動力となっているとのことです。
オニ博士の構想は、太陽光発電技術と電気ポンプを組み合わせることで、地下水や河川、貯水施設から自動的に村の家庭に水を供給するというものです。さらに太陽光駆動の紫外線浄水システムにより、スイッチ一つで安全な飲料水が得られる環境を実現しようとしています。
この取り組みは、世界銀行の「ミッション300」(2030年までに3億人にエネルギーアクセスを提供する目標)と「水安全保障の未来構築」(10億人の水安全保障改善を目指す)という二つの重要な事業と連携しています。
タスキギー大学は歴史的黒人大学(HBCU)で、創立者のブッカー・ティー・ワシントンは教育と実践的技能の結合を重視し、学生が建築材を製造しながらキャンパスを建設した伝統があります。また農業科学者ジョージ・ワシントン・カーバーは移動式教室「ジェサップ・ワゴン」を使って農村地域に実践教育をもたらしました。この伝統が現在も継続しており、化学および生物学部門の水処理研究が博士の構想を科学的に支えています。
オニ博士は、もし過去に戻ることができたら、現在の自分の知識を若き日の自分と地域社会に伝え、太陽エネルギーの力と安全性、そして太陽技術の実践的スキルを教えたいと述べています。同時に、地域の人々が独自の技術者や起業家として地元の知識と専門技能を獲得することで、持続可能な発展が実現できると強調しています。
出典:The World Bank, CC BY 4.0、http://www.worldbank.org/en/news/feature/2026/06/17/memories-of-my-youth-if-i-could-go-back-in-time-to-fix-the-struggle-for-water
