令和8年4月30日、文部科学省で社会教育主事・社会教育士養成等の改善・充実に関するワーキング・グループ第6回会議が開催されました。会議では全国社会教育職員養成研究連絡協議会(社養協)から、養成課程の現状と今後の在り方について意見が述べられました。
**24単位の意義の再確認**
社養協は、現在全国に112通りの多様な養成課程が存在していると指摘しました。令和2年度のカリキュラム改定では、社会教育実習の必修化と新科目の導入により、各大学が2年から4年という中期的な学習展開の中で、実践と省察の往還を軸としたカリキュラムを設計するようになったとの報告がありました。
社養協は、24単位の意味について、単なる履修量ではなく、学生が社会教育を全人的・総体的に学ぶ時間と機会を保障する枠組みであると強調しました。学生たちは卒業後の社会人生活を見据えた人間形成の時期にあり、サークル活動やアルバイト、地域活動など多面的な経験の中で学んでいるため、相応の学習時間が必要だとしています。
**教職課程との並修における役割**
特に教職課程を並修する学生にとって、養成課程は学校教育以外の場における子どもの育ちを捉える視点を獲得し、学校教育の学びとの往還を通じて教師観を形成する機会となることが指摘されました。また教職課程を取らない学生は、自身の専門分野と社会教育の連携の中で学びを深める「専門分野×社会教育」の人材育成につながるとされています。
**地域における大学の新しい役割**
社養協は、養成課程を置く大学が地域社会教育振興のハブとして機能している実態を述べ、今後期待される3つの役割を提示しました。第1に、実習を通じた現場との協働による次世代育成。第2に、導入的講習からフォローアップ研修までの長期的人材育成への伴走。第3に、地域における実践の持続的展開を支える研究機能です。これらを実現するため、異なる学習段階の学習者が対話的に学び合う場の構築が重要だと強調されました。
**学生の負担に関する認識**
委員からの質問に対し、社養協は、学生が24単位を負担と感じている実感がないと回答しました。むしろ社会教育に関心の高い学生が主事課程を選択し、4年間かけて丁寧に学んでいるとのことです。実践と学びの往還の中で、学生は「もっと学びたい」「実践してみたい」という主体的動機づけを高めていくとされています。
**制度的課題と今後の論点**
一方、社養協が最大の課題として指摘したのが「出口問題」です。社会教育主事の配置率低下と関連職員の不安定な待遇により、多くの学生が社会教育の学びを他分野の仕事で活かす「ナナメの進路選択」を余儀なくされているとのことです。
今後の議論に向けて、社養協は3点の重要性を指摘しました。第1に、令和2年度改定以降のカリキュラムの質的検証。第2に、社会変化や人権課題を見据えた科目内容の検討。第3に、大学の自治と学問の自由を尊重した制度設計です。また、地域ごとの養成課程数や社会教育主事配置の状況といった地域的条件の違いを踏まえた検討と、養成課程関係者との継続的対話の場の構築が不可欠だと述べられました。
出典:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo2/016/gijiroku/1422152_00006.htm
