文部科学省は2024年6月26日、学校における防火防災に係る安全点検等の実施について、全国の教育委員会および学校法人に対して通知を発表しました。この通知は、同年6月19日に東京都北区の小学校で発生した火災により複数の児童および教職員が負傷したことを受けたものです。
通知では、学校における児童生徒等の安全確保が最優先であるとした上で、学校および学校設置者に対して複数の対応を求めています。
**施設・設備の点検の徹底**
文部科学省は、消防法に基づく法定点検の確実な実施を強調しています。消防用設備等については、6か月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検の実施が定められており、これらから明らかになった不備事項は確実に改修する必要があります。また、建築基準法に基づく定期的な点検と、学校保健安全法に基づく毎学期1回以上の定期的な安全点検も義務付けられています。
通知では、特に火災への対応として、防火用水、消火器、消火栓、防火シャッター、防火用扉などの作動性確認、避難器具の点検、適正な避難経路の確保などを含めた安全管理の取組を実施するよう促しています。文部科学省が公開している「学校における安全点検要領」(2024年3月)や「効果的に安全点検を推進するためのノウハウ集」(2025年3月)の活用も呼びかけています。
**防火管理と避難訓練の実効性**
学校においては、消防法に基づく消防計画の策定と、防火管理者による日常的な火気管理、避難管理、設備の維持管理が求められています。また、火災等の災害発生時に適切な初動対応と円滑な避難行動を確保するため、消火、通報、避難の訓練を定期的に実施することが必要です。
避難訓練の実施にあたっては、文部科学省が示す「学校の危機管理マニュアル作成の手引」(2018年2月)および「学校の『危機管理マニュアル』等の評価・見直しガイドライン」(2021年6月)に基づき、実践的な内容とすることが重要です。訓練を通じて、教職員を含めた全員が自動火災報知設備作動時の初動対応方法や消火設備・避難設備の設置場所・使用方法を確認・共有することが強調されています。
**火災事故発生時の対応**
火災事故発生時には迅速かつ適切な対応が重要であるため、学校保健安全法第29条第1項に基づき作成が義務付けられている「危機管理マニュアル」の内容を改めて点検し、事故発生時の対応手順が明確に示されているか確認することを求めています。マニュアルは簡潔で具体的なフロー形式で整理され、緊急時に即座に使用できる形式であることが求められます。
さらに、学校保健安全法第29条第2項に基づき、校長は「危機管理マニュアル」を職員に周知し、訓練を実施するなど、危険発生時に職員が適切に対処するために必要な措置を講じる責務があります。教職員間での十分な共通認識の形成が強調されています。
本通知は、国公私立学校を問わず対応が必要とされており、各都道府県・指定都市教育委員会、私立学校所管部課、国立大学法人等が所管する学校に対して周知されます。総務省消防庁および国土交通省住宅局とあらかじめ協議済みです。
出典:文部科学省ウェブサイト https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/1417343_00060.htm
