英国の教育省(Department for Education、DfE)は、アカデミー・トラスト(公立学校の自律的な法人形態)における役員報酬の透明性と説明責任を確保するため、2023~2024年度の会計報告に基づいた調査を実施しました。
【調査対象と規模】
教育省のスクール財務支援・地域監督部門の部長は、56のアカデミー・トラストの理事会議長に対して書簡を送付しました。このうち55のトラストに対して対応を求め、1つのトラストについては閉鎖予定であったため対応を求めませんでした。
【選定基準】
調査対象となったトラストは、最高役員報酬が以下のいずれかに該当するケースが多くありました。全国的に見てトップ1%の高額報酬層、または同じ種類・規模のトラストとの比較においてトップ5%の高額報酬層です。一部のトラストは両方の基準に該当していました。
教育省は対象校を特定する際、トラストのタイプ(複数校の法人、単一校の法人、特別支援学校を含むトラストなど)と生徒数によるカテゴリー分けを行い、特定の種類のトラストへの偏りを最小化する工夫をしています。
【調査の目的】
役員報酬に関する調査は、①報酬決定が良好な資金運用を示しているか、②公的部門の市場相場と比較して正当化できるか、の2点に焦点を当てています。教育省は、すべてのアカデミー・トラストが資金協定の条件として「アカデミー・トラスト・ハンドブック」に定められた基準への準拠義務を持つとしています。
【調査内容】
教育省は55のトラストに対し、ハンドブックに規定された条件への準拠状況を示す証拠の提出を求めました。調査を通じて、トラストが役員報酬設定について堅牢なプロセスを備えており、ハンドブックの要件を満たしているかを確認することが目指されました。
【背景】
この調査は、自律的な法人であるトラストが高い透明性と説明責任の基準を維持することを確保するための教育省の職務に基づいています。セクター全体への支援と指導の適切なレベルを確保することで、役員報酬に関する意思決定が公共資金の適切な運用と説明責任に結びつくことを目指しています。
出典:UK Department for Education「Engagement with academy trusts about executive pay: 2023 to 2024」(OGL v3.0)https://www.gov.uk/government/publications/engagement-with-academy-trusts-about-executive-pay-2023-to-2024
